史上最強の哲学入門

下記書籍を読みました。 

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

 

 真理、国家、神様、存在の4つのテーマそれぞれで真理を追求した哲学者が総勢31人も紹介されています。著者の方は刃牙が好きみたいで語り口が面白いので、楽しみながら読むことができました。

 

系譜がすごい

本書籍でまずすごいなと思ったのは、各テーマにおいて過去の哲学者の話を否定したり、引用したりするカタチで代々テーマについて語り継がれている点です。「真理とは何か」ということについて普通に考えたら1年間考え続けるのだってしんどいと思うのですが、時代を超えて1,000年以上語り合っているというのですから、その思いの強さには本当にすごいことだと思います。

書籍に出てくる哲学者は有名どころばかりです。ソクラテスにデカルト、カントにヘーゲル、キルケゴール、またプラトンにアリストテレス、ニーチェにニュートンなんて人たちもいます。何となくこういうことをやったんだよなくらいの理解だったのが、本書を読むとそれぞれについてもう1つ進んで理解することができます。

 

その根性に敬意を表する

また、安直かもしれないですが、真理とか国家とか神様、存在とか、そういう考えても仕方がなさそうにも思えるテーマに自分の人生の多くを突っ込んだというのですから、哲学者皆の根性、考え続ける力には敬意を表するほかありません。

皆が先人の考えを学び、それに対しての反証を考え、哲学を現代まで進化させてきたわけです。現代社会においては、少なくとも私は哲学の重要性をさほど感じることはなかったのですが、本書を読むとこうした知の系譜がいかに社会を変えていったのかということもわかります。いま私たちがこうして暮らせているのには、ど根性で考え続けた哲学者たちの力が少なからず寄与しているのではないかと思います。

 

気になった哲学者たち

個人的に気になった哲学者としてはまずソクラテスです。

ソクラテス

無知の知で知られていますが、その生き様が圧倒的です。自らの正しさを証明するために、為政者の策略を自ら受け入れ亡くなってしまいます。真理をとことん突き詰めようとしたその生き様には、自らを省みさせられます。改めて自分がいかに物事を知らないかを心から認めて、真理を知る、手に入れるための情熱を持ちたいと思います。

ルソー

それからルソーにはちょっと驚きました。国家の主権者は人民であると唱えた偉い人ですが、その私生活はけっこうひどいものだったようです。めっちゃ文章がうまい型前に40歳頃に一気に名を知られるようになるそうです。そんな人が、今でも読みつがれる教育の本を書いたりするのですから、人生ってわからないなと思わされました。私自身も日々1センチでも良いので、自らの人生をより良くしていくための努力をしていこうとちょっと思えました。

ニーチェ

それからニーチェです。この人すごいなと思いました。宗教や道徳なんて弱者のルサンチマン、慰めであって、そんなものを求めてはいかんと言ったそうです。彼らのことを末人と呼び、ただ健康とよき眠りだけを求め、日々をやりたくもないことに費やし、時間をつぶし、気がついたら年をとっている事なかれ主義だと定義しています。そして、そんな生き方に価値はないだろうと断じているのです。

だから人はもっと強くあるべきだと唱え、力への意志を持った超人を目指せと説いたのです。そうした人こそが神の失われた現代においても、雄々しく生きていけるはずだと考えたのです。ちょっとソクラテスの気合にも似た感じを受けます。私自身、諦めずに超人的な生き方を目指し続けたいと思います。

ソシュール

それからソシュール。聞いたことがない人でしたが、新しい言語学を創り出した方のようです。すごいなと思うのは何か新しい言語学を作り出せないかと考え、ひたすらそれを研究し続けたことです。既存の研究がおろそかになってしまい、学会での評価が下がっても、ただひたすらに自分のアイデアの実現に努力をし続けた、その思いの強さがすごいと思います。

 

人生を賭けるに値する生き方、テーマとは

これを見て考えさせられるのは、果たして自分にとって命を賭けるに値するテーマとは何かということです。上記で挙げた哲学者の中でも、ニーチェの言葉は胸にささります。私は20台前半から後半までだいぶふらふらしていたので、ここ5年くらいはいかにして普通の人生を送れるようになるか、そのことを考えて頑張ってきました。そして、今ようやく少しの安定を手に入れつつあります。

そういう意味で普通、安定を目指したこの5年間は大いに価値があったと思っています。ニーチェの言葉で言えばどこか末人的な発送かもしれませんが、毎日を平穏に過ごせることの素晴らしさがわかり、そのことに感謝をして、また多くの人に感謝をすることができた時間だったのです。自分にとっては価値のある時間でした。

しかしながら、こうしてニーチェやソクラテス、ルソーにソシュールの言葉や生き方を目にすると、この先5年も10年もこのままで良いのかという疑念は湧いてきます。あと5年したらもう40歳も近くなります。そうなると、50歳だってあっという間かもしれません。そうした時に今の延長線上の思考や行動でいて、自分の人生を振り返った時に本当にやりきったと言えるのか、その点に少なからず不安を感じるのです。もちろん、一度はふらふらしていた身ですから、こうして小さな安定を手に入れることができただけでも大いに感謝すべきことではあるのですが、それでもこれから先の5年10年も同じように守りの姿勢でいることにはまだ心のそこから納得できているわけではありません。

人生を賭けるに値する生き方やテーマとは何か、今このタイミングで今一度考えてみたい、史上最強の哲学入門を読んでそう思ったことが一番の収穫であったかなと思います。