ルサンチマン

 下記の書籍を読みました。

ルサンチマン 上 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

ルサンチマン 上 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 
ルサンチマン(1) (ビッグコミックス)

ルサンチマン(1) (ビッグコミックス)

 

 花沢健吾さんの漫画はボーイズ・オン・ザ・ランにアイアムアヒーローは読んでいましたが、この作品については全く知りませんでした。デビュー作だったようです。

少し前に宮本から君へを読んですごく面白いと思ったと同時に、どこかで見たような気がと思ったら、この作品をオマージュしたのがボーイズ・オン・ザ・ランだと知って驚きました。宮本から君へはそんなふうに書きたくなるほど熱い作品だと思います。ボーイズ・オン・ザ・ランもとても面白かったです。

 

面白い

そんな花沢健吾さんのデビュー作、ルサンチマンですが、とても面白かったです。発売が2004年くらいで、2015年頃の近未来を舞台に描かれています。VR世界が描かれていますが、現実とは多少は異なるものの、それでも想像であそこまで器具や世界を描かれたことはすごいことです。

残念ながら、当時は2巻が出るくらいのタイミングで打ち切りが決まってしまったようで、3巻、4巻くらいはわりと駆け足展開になってしまうのですが、それでもホロリとさせられる展開です。

 

未来を想像する力

本作を読んでまず思ったのは上記にも書いたように、2004年当時に想像した2015年の近未来を想像しきったことです。もちろん、当時だって未来を想像する書籍等はあったのでしょうが、それをリアルなカタチとしてやりきったことが本当にすごいことだと思います。実際の2015年、そして現在の2018年とはVRについて異なることもたくさんありますが、それでも10年以上前に考えたとは思えないようなところもあります。

花沢健吾さんは、冒頭で述べたボーイズ・オン・ザ・ランやアイアムアヒーローからはとても想像できないような作家さんだったんだなと思わされます。

モテない苦しさ

もう1つ、花沢健吾さんの作品を読んでいて思うのは主人公がモテないやつだっていうことです。オマージュ元である宮本とボーイズ・オン・ザ・ランの主人公ですが、なんとなく雰囲気は異なります。より花沢健吾さんの思考が強く反映されています。ルサンチマンの主人公である坂本にもアイアムアヒーローの主人公にも、どことなく似たようなところがあります。これも花沢健吾さんの小さな事かもしれないけれど、テーマの1つなのかなと感じてしまいます。

そう思うのも、私自身がちっとも学生時代にモテなかったからです。特に大学生時代は心の中ではとても苦しかったと思います。周りは彼女がいるのが当たり前になりつつあるなか、自分には彼女がちっとも出来なくて内心はとても悲しかったです。一方で、心の中では自分はそこそこカッコいい、いやかなりカッコいいとも思っていて、それなのに周りがちっとも興味を持ってくれないわけですから、それは怒りにも起因していましたし、社会人になってからもずっとコンプレックスとして存在していました。

だから、なんとなくですが花沢健吾さんの作品に興味をひかれるところがあるのかもしれません。

 

だからどうする

漫画なので教訓がうんぬんという話をすることもないのかもしれませんが、上述した未来を想像する力については大いに刺激を受けます。当時と比べると今はさらに未来を予測するためのツールに溢れていると思います。それらを活用すれば、15年前よりも高い精度で未来を想像することができるでしょう。というか、既にいろいろな人によって近未来の日本の姿、世界の姿はだいぶ映し出されています。

今やるべきはそれに向けて、そのような時代を軽々と乗りこなせるようになれるよう、小さな努力を積み上げていくことだと思います。地道ですからモチベーションが波打ったりとか、後はそんな先のことまで考えられなかったりということもあるかもしれません。

でも、2008年頃からの自分を振り返ってみると、もっとこうしておけばということがたくさんあります。それを思うと、これから10年後にはそんなふうには考えたくないと強く思います。こうしておけばよかったなんて思う必要がないように、遠い未来を見据えながら(普段から意識することはないけれど)、今この瞬間をしっかりと大切に生きていこうと思います。